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【初学者向け】新入社員がモバイルシステム技術検定2級を合格するまで

はじめに

はじめまして、ドコモ新入社員の菊池大希です。この度、「MCPCモバイルシステム技術検定 2級」に合格しました! 本記事では、資格取得をめざしたきっかけから、実際に受験してみた感想、そしてこれから受験する方へのちょっとしたアドバイスまで、私の経験をまとめてみたいと思います。過去問や模試のない検定なので、同じように資格取得をめざす方やモバイル業界に興味を持っておられる方にとって非常に役立つ情報になると思います。

MCPCモバイルシステム技術検定2級とは

今回私が受験した「MCPCモバイルシステム技術検定」について初めてお聞きした方もいらっしゃるかもしれませんので簡単に紹介します。 MCPCモバイルシステム技術検定とは、特定非営利活動法人 MCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)が主催する、モバイルシステムに関する知識と技術を認定する検定です。ドコモはMCPCの幹事会員を務めており、業界の主要なプレイヤたちとともにモバイル業界全体の技術向上を支援しています。そのため、MCPCモバイルシステム技術検定も、通信キャリアやシステム開発会社など多くの企業で「モバイル技術の知識を証明する資格」として広く認知・採用されています。

2級の試験範囲は、公式HP*1の試験の目的から読み取れます。以下のような試験範囲です。

  • 端末から無線通信、コアネットワークまでのモバイルシステム
  • モバイルシステムで使われているセキュリティ
  • モバイルシステムが提供するサービス

対象範囲がかなり広いですね。

モバイルネットワークの概観

私の属性

突然ですが、「コアネットワーク」という言葉をご存じでしょうか? モバイル業界にいらっしゃる方なら、みなさんご存じだと思いますが、私は入社するまで知りませんでした。コアネットワークとは、基地局とインターネットの間をつなぐ、スマホ等の端末がインターネットや電話をいつでも利用できるようにするためのシステムです。入社前の私は基地局の向こう側にそんなものがあるなんて知りませんでしたし、その仕組みを考えたこともありませんでした。そんな全くの素人の私ですが、先人が築いたコアネットワークという巨大システムに畏敬の念を感じながら、日々将来コアネットワークのアーキテクチャ検討に奮闘しております。

目的

モバイルシステム全体の基礎知識を問うこの資格は、新入社員の私にとって今後の業務の土台を築く上で絶好の機会でした。コアネットワーク分野は普段の業務で扱うので知識の再確認となりますが、業務では特定の技術に偏りがちなので体系的に学ぶよい機会になると考えました。無線通信や端末も普段の業務でその知識の必要性をひしひしと感じていたため、学習の第一歩としてよい機会になると考えました。また、自分のスキルを客観的に証明できる形に残すこともこの資格受験の目的になりました。

受験の目的

感想

試験を受けてみての率直な感想は、思っていたよりも難しいという印象です。というのも、公式HPにサンプル問題がいくつか載せられていますが、それらと比べて本番の問題の方が細かい知識を問われていました。例えば、Wi-Fiの規格に関して、それぞれの規格の通信速度と利用周波数帯は頭に入れていたのですが、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)*2やMIMO (Multiple-Input Multiple-Output)*3のようなそれぞれの規格における特徴的な技術要素は覚えていませんでした。試験ではその技術要素が出題されてしまいました。

一方で、TCP/IPで使用されるウェルノウンポートの暗記問題もありましたが、こちらは選択肢の中で正しい組み合わせを一つ見つけられれば正解できるものでした。暗記よりもそれぞれの技術要素の正確な知識を問われている試験という印象でした。 また、注意する点として、フィーチャーフォンのようなあまりなじみがない言葉やCFカード*4のような特定の用途に使われるものの一般にはあまり使われないものもテキストに載せられています。それらも出題範囲となるので、適宜ネットで検索するなどして知識を補完する必要があります。

私の取り組み方とこれから受験される方へのアドバイス

1. 公式テキストを熟読すべし。

この試験は過去問がありません。公式テキストが唯一の情報源です。なので、公式テキスト*5を熟読しましょう。前述のように試験内容が多岐にわたるので、なじみのない話もたくさん出てくると思います。私は1周で中身をしっかり理解したい派なので、不明点や興味のあるところは適宜調べながら読みました。その後、キーワードや規格の特徴・説明のところだけしっかり暗記できるようにつまみながら2周目を読みました。私は基本1ページ2分のペースで読んで、上記の通り調べものをしたり、目が滑ったりで1周するのに合計20時間弱かかりました。これから計画を立てる人はこの時間を参考にしてみてください。

2. 似ている技術要素、規格の違いを押さえるべし。

前述のWi-Fiのバージョンのように、移動体通信の各世代の違いやBluetoothの各規格の違いは紛らわしく、ついおろそかになってしまいます。IoT向け無線規格も種類が多いです。ですが、出題者からすると逆に問題を作りやすいポイントになると思うので押さえておいた方がよいでしょう。事実私が受験したときもそれぞれに関連する問題が出題されました。せっかくなので少しだけ私の勉強法について紹介します。私は覚えたい内容を何度もテストします。全問正解するまでひたすらインプットとアウトプットを繰り返します。そして後日に、エビングハウスの忘却曲線*6に習って復習をします。この方法が私の常套手段です。

終わりに

今回無事に2級に合格できたことで、モバイルシステムに従事する者としてその知識を客観的に示すことができ、自信になりました。もちろん次は、「MCPCモバイルシステム技術検定 1級」の合格をめざします。1級では試験が3科目に分かれて、試験時間も最大180分と伸びます。より専門的な知識が問われることと思いますので、これからも学習を続けていきたいと思います。1級に合格できたら、またこのブログで体験記を書きたいと思いますので、その際はぜひ読んでください!

これから2級を受けるという方は、受験日までテキストの隅々まで目を通してください!これから1級を受ける方は、一緒に合格に向けて頑張りましょう! 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

*1:モバイルシステム技術検定[2級]CBT方式 | MCPC モバイルコンピューティング推進コンソーシアム

*2:OFDM:多数のキャリア信号を並列伝送することで通信品質を向上させる技術。

*3:MIMO:複数の送受信アンテナを用いて通信品質を向上させる通信技術。

*4:CF(コンパクトフラッシュ)カード:メモリカードの規格の一つ。

*5:公式テキストのご案内 | MCPC モバイルコンピューティング推進コンソーシアム

*6:エビングハウスの忘却曲線:学習後の忘却を表す曲線。学習日の翌日、3日後、1週間後に復習すると効果的であることを示唆している。