NTTドコモR&Dの技術ブログです。

VIVE XR Elite登場!23種のXRデバイス体験を踏まえて各デバイスをまとめてみた

※ 本記事は 2026/3/31 以前にNTTコノキューにて記載した記事になります

はじめに

こんにちは、NTTコノキュー テクノロジー部門の浅井です!

突然ですが、私が企画・開発したNTT XR Real SupportはApple社のiPhone, iPadに加えて、Microsoft社のHoloLens2に対応しています。現場での作業支援にMR(MixedReality)技術を採用する上で、HMDへの対応はどうしても行いたかったポイントです。

ただ、HMDでもとりわけMRデバイスとなると、種類も少なく高額になります。そこで注目しているのがパススルー型のHMDです。昨年10月に発売されたMetaQuestProに続いて、VR業界の老舗、HTC社からもパススルー型HMD VIVE XR Eliteが発売されました!

ということで、かれこれ数年間で様々なXRデバイス(計23種)を体験した独断と偏見で各種XRデバイスをまとめてみました。

(来年はApple Vision Proを体験してまとめを作りたい…)

体験したデバイス一覧

https://varjo.jp/varjo-xr-3/
https://www.canon-its.co.jp/files/user/solution/mr/lp/
https://www.meta.com/jp/quest/quest-pro/
https://www.vive.com/jp/product/vive-xr-elite/overview/
https://ja.shiftall.net/products/meganex
https://www.vive.com/jp/product/vive-flow/overview/
https://www.pc-koubou.jp/products/detail.php?product_id=696039
https://vr-compare.com/headset/oculusquest
https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/663936.html
https://www.meta.com/jp/quest/products/quest-2/
https://varjo.com/products/vr-3/
https://www.nikon-trimble.co.jp/TrimbleXR10/
https://www.microsoft.com/ja-jp/hololens/buy
https://learn.microsoft.com/ja-jp/hololens/hololens1-hardware
https://www.magicleap.com/magic-leap-2
https://vr-compare.com/headset/magicleap1
https://www.xreal.com/jp/light/
https://www.xreal.com/jp/air/
https://www.vuzix.com/products/vuzix-blade-smart-glasses-upgraded
https://www.vuzix.com/products/m400-smart-glasses
https://www.realwear.com/jp/navigator/
https://www.ntt.com/business/mobile/product/xr/googleglass.html

リンクが多すぎるッ!!

本記事の構成

今回の記事は以下の4つの構成となっています。

  • XRとは/パススルーとは/VIVE XR Eliteとは
  • VIVE XR Eliteを動かしてみる
  • VIVE XR Eliteのアプリ開発をやってみる
  • 今まで体験したデバイスとVIVE XR Eliteを比較してみる

XRとは

VR/AR/MRの総称です。AR/MRについては定義が曖昧なため本記事では以下のようにざっくりAR=スマホでの体験、MR=HMDでの体験、とします。

XRとは

パススルーとは

既存のMRデバイス(HoloLens2, MagicLeap2など)はライトシースルー型のHMDと呼ばれます。これは、透明なディスプレイに、現実空間に表示されるコンテンツ”だけ”を表示する仕組みです。

一方パススルーとは、VR用のHMDの外側に撮影用のカメラがあり、そのカメラ映像をHMDに表示することで、HMDを装着しながら外の状況を視認出来る仕組みです。

バーチャル空間の情報とカメラ映像を切替えたり、組み合わせることが出来るので、例えばカメラ映像上にCGを配置すれば、現実空間とバーチャル物体との融合=MRが出来ます。

つまり、パススルー型HMDはVRもMRもどちらも1つのデバイスで体験が出来るスグレものな訳です!

※ライトシースルーの方が装置が薄く・小さく出来ることがメリットですが、実現には技術的な課題も多く、パススルー型と比較して高額になる場合が多いです。

※AppleVisonProはパススルー型に分類されます。

パススルーとは

VIVE XR Eliteとは

公式情報から引用します。

https://www.vive.com/jp/product/vive-xr-elite/overview/

パワフルかつ折りたためる超軽量ヘッドセットで、装着すればその体感、体験に驚くことでしょう。 オールインワン型XR機として空間を自由に楽しむこともできるし、PC VR機として重厚な没入体験を楽しむこともできます。

つまり、VIVEシリーズ初のパススルーHMDです!

VIVE XR Eliteとは

VIVE XR Eliteを動かしてみる

Unplugged AIR GUITARをプレイ!

VIVE XR Eliteは期間限定で購入すると有料アプリが付属します。ということで、早速「Unplugged AIR GUITAR」をプレイしてみました!

このアプリはパススルーを生かすアプリでは無く、VRアプリです。ハンドトラッキング機能により自分の手でギターを弾くことが出来ます。音ゲーのギター版という感じです。

VR体験はMetaQuestと同程度の印象でした。 ハンドトラッキングでの体験は良い感じで、特に反応が悪いことも無く、他のデバイスと比較しても同じくらい安定感があると感じました。

Unplugged AIR GUITAR

パススルーモードをプレイ!

パススルーモードは鮮明で、視野周辺の歪みは無かったです。何よりスマホやPCのディスプレイも何とか読み取れました!頑張ればある程度の作業は被りながら出来そうです。

「MRモード」と「完全パススルーモード」を選択出来るので、より安全面に配慮されている印象です。

ただ、「MRモード(カメラ映像にバーチャル物体を表示)」だとバーチャル物体を表示している領域には歪みが発生してしまいます。MRモードで現実世界の情報とバーチャル情報をどちらも見たい場合、歪みが発生するのは出来れば避けたいので、今後のアップデートやアプリ開発時に考慮する必要がありそうです。

パススルーモード

ハードウェア、操作性について

ハードウェアについては、

  • 視度調節でメガネ不要
  • IPDも調整可能
  • 背面のバッテリー部分を取り外してPCVRにすれば本体重量が軽くなる

ということで、非常に扱いやすいデバイスだと思いました。 VIVEシリーズではスマホ接続型のVR HMD(VIVE FLOW)もあるので、この資産を活かしてスマホ接続まで出来ると更に使い所が増える気がします。

ただ、目を覆うカバーが取り外し式なため、頻繁に外れてしまいました。HMDを買ったらとりあえず1日の生活を被ったまま行うのですが、歩き回ると結構ズレてしまいました。 取り外しが楽なので清掃が楽だったり、安全だったり、トレードオフだと思うので、ここは難しいところですね。

操作性については、リリースしたばかりということもあり、UI・OSの機能などは発展途上だと感じました。位置のリセットがメニューから辿る必要があったり、他デバイスと比較するともう少し使いやすくなると良いな、という印象です。

ハンドレイ(ハンドトラッキング機能により手から伸びる線で、ポインターのように遠くのオブジェクトを操作出来る)の操作も他デバイスと比較して操作が難しい印象でした。 感覚的な話ですが、他デバイスよりレイが下向きなようで、手を下げた状態で操作するのが難しいと感じました。

Elite概要

VIVEXREliteのアプリ開発をやってみる

サンプルアプリのビルドまでを実施しました!

HandTracking/EyeTracking等の扱い方は比較的簡単に感じました。 ちなみに、有料アプリ「Unplugged AIR GUITAR」だと気にならなかったですが、サンプルアプリ上だとハンドトラッキングは少し不安定でした。アプリ側での見た目・使いやすさへの工夫は必要ですね。

サンプルのハンドトラッキング

開発については、リリースしたばかりということも踏まえて、他のデバイスと比較するとドキュメント・開発環境共に発展途上の印象です。

リファレンスはほぼ公式のみで、かつ公式ドキュメントはXR Elite向けの更新が追いついていない部分も多いため、一部別デバイスの情報を見ながら進める必要があります。

また今回久々にVIVEアプリ開発を触ってみました(大学時代はVIVE Proより前の機種を使っていました)が、 現在VIVE製品は「WaveXR」というプラットフォームが用意されており、WaveXR SDKを使うことで様々なVIVE製品のアプリ開発が出来るようです。
https://developer.vive.com/resources/vive-wave/overview/

XRデバイスは実機が無い状態でも開発中アプリの動作をシミュレーション出来る環境が提供されることが一般的で、WaveXRもDirectPreviewとして対応しています。 ですが、XREliteは現状未対応のようで、UnityEditor上でDirectPreviewダイアログは表示されるものの、扱えないようでした。

この辺りはドキュメントの更新など、期待しています!

WaveXR-DirectPreview

今まで体験したデバイスとVIVEXREliteを比較してみる

「MRデバイス」「VRデバイス」それぞれで比較をしてみます。

MRデバイスでの比較

まずは見た目が似ている2台(MetaQuestPro, HoloLens2)をピックアップします。MetaQuestProとVIVE XR EliteはMRモードにすることでスタンドアローンでMRアプリが体験出来るため、非常にHoloLens2に近いデバイスです。 それぞれ、MRモードでの体験、HWの扱いやすさ、開発環境を比較します。

MRデバイス比較

https://www.vive.com/jp/product/vive-xr-elite/overview/
https://www.meta.com/jp/quest/quest-pro/
https://www.microsoft.com/ja-jp/hololens/buy

動き回ったり手での操作を重視したり、MRモード=現実世界でデバイスを被って何かをすることを想定して評価したので、ライトシースルー型HMDのHoloLens2に軍杯が上がりました。やはり裸眼で屋外が見えることは強いですが、HoloLens2はハンドトラッキングの計測範囲や頭の固定など、動き回ることを前提としたハードウェアの設計となっていることがわかりました。 他2種はパススルー”第一世代”の機種なので、後継機での進化に期待です!

パススルー型デバイスでの比較

パススルー型デバイス(Varjo XR-3, MetaQuestPro)をピックアップします。 Varjoのみ価格の差が大きいですが、ここでは価格についてはあえて触れません!笑 それぞれVRモードの体験、MRモードの体験、HWの扱いやすさ、開発環境を比較します。

パススルー型デバイスでの比較

https://www.vive.com/jp/product/vive-xr-elite/overview/
https://www.meta.com/jp/quest/quest-pro/
https://varjo.jp/varjo-xr-3/

それぞれ一長一短あるので、条件に応じて検討する必要があると感じました。当然ですが、PCVRであるVarjoは動き回るユースケースには難しいです。が他2種はMR体験は発展途上です。 MetaQuestProはQuestのアプリがそのまま動くので資産流用が簡単なため、開発観点だと最も扱い易いです。

まとめ

MetaQuestProに続いてVIVE XR Eliteも登場しましたが、後続デバイスということもあり?色々と扱い易いデバイスでした。

MRデバイスはHoloLens2, MagicLeap2くらいしか無い中、パススルーでMRを実現するデバイスが増えてきました。発展途上ですが、今後に期待したいと思います! (来年のAppleVisonProも楽しみです!!)