はじめに
こんにちは! コアネットワークデザイン部の林、中川、服部、開発、菅、金堀です。
株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は、「Interop Tokyo 2026(会場:幕張メッセ、会期:2026年6月10日~6月12日)」において構築される、世界最大級のイベントネットワークShowNet *1にCo-Sponserとして参加しています。
今年度のテーマ:🎯 「変革するワークロードに応えるモバイルネットワークの実現」
というチャレンジにおいて、以下の3つの技術的取り組みを中心に展示しています。
- ネットワークスライシングによる高品質・低遅延な長距離リアルタイム映像伝送
- セキュアかつ高信頼なキャリア5G基盤による運用構築支援
- Pre-6G技術群が拓くAI Gridモバイルネットワークの実証
本記事では、1. にかかわる技術的構成とその効果、体験ポイントをご紹介します! 特に、1. の取り組みは「ShowNet Media over IP特別企画」として、全国の放送局とShowNetを繋ぐネットワークとして活用されています。
次世代ネットワークを支える2大サービスとは?
今回のShowNet構築では、我々がシステムを開発・運用し、NTTドコモビジネス株式会社(以下、ドコモビジネス)が販売する2つの最新サービスを活用しています。
docomo MEC®とは?
docomo MEC®は、モバイル端末から閉域ネットワーク経由でIaaS(Infrastructure as a Service)基盤に直接アクセスできるMEC(Multi-access Edge Computing)サービスです。 MECダイレクトオプション*2によりドコモのコアネットワークとMECテナントを、インターネットを介さずにダイレクトに接続でき、基地局直下での遅延を極限まで削減できます。 まさに、低遅延×セキュアなローカル処理で、「今この瞬間」に価値を生み出します。
特徴
- 全国8拠点*3のサーバにより、どこからでも最適なリアルタイム通信が可能
- 用途に応じて選べる2種類のIaaS基盤を提供

導入事例
MECダイレクトを利用し、利用端末とIaaS基盤間の通信をドコモネットワーク内に閉じた通信とすることで、インターネットを経由するよりもリアルタイムでセキュアな通信が可能であるため、「リアルタイムなAI顔認証」や「コンテンツ配信基盤」等のユースケースで活用されています。
- スマートスタジアムでの AI顔認証
- 工場IoTでの センサー処理とアラート通知
- 自治体の監視カメラ連携、災害時のリアルタイム配信 など
5Gスライシングとは?
5Gスライシングは、ドコモビジネスが提供する、帯域の一部占有により一般回線の通信混雑の影響を受けづらい安定通信サービスです。 モバイルだけではなく、専用線などをアクセスラインに利用できクラウドや自社NWへの柔軟&セキュアな接続を可能にし、「どこでも、安全に、自由につながる」5G・ネットワークの可能性を広げます。

特徴
帯域確保機能による通信速度の安定化
- 無線リソースの部分占有をすることで、通信混雑の影響をほとんど受けず、通信速度の安定化を提供。
5G SA基地局のネットワーク網の中で利用が可能
- 自営設備設計が不要のため、低コストかつ短納期で手軽な利用が可能
- 要望に合わせた柔軟な帯域占有
- 利用したい通信量に合わせて占有帯域の柔軟な変更が可能(常時利用プラン)
- イベント時など、必要な時のみオンデマンドな帯域占有が利用可能(予約利用プラン)
ユースケース
通信の安定化を通じてお客さまのさまざまな課題解決に利用が可能となっています。
- 【常時利用プラン】倉庫などにおけるAGV(無人搬送車)の制御通信
- 倉庫や工場では昼休みの時間など、従業員が一斉に通信を利用する時間帯などで回線が混雑し、業務用通信に影響を及ぼすことが懸念されている
- AGVの制御などの業務用通信にスライシングを適用することで、通信が混雑する時間帯においても安定した制御通信が可能
- 【予約利用プラン】スポーツ中継などの映像伝送
- 観客が多く集まるスタジアムなどでは回線の混雑が発生しやすい
- 中継カメラの映像など、業務通信にスライシングを適用することによって一般回線の混雑の影響を受けづらい安定通信を利用することが可能
ShowNet 2026での活用シーン紹介
docomo MEC+スライシング:混雑下でも安定した通信を行う帯域確保と閉域網
本展示では、放送TS/Resilient PTPの長距離伝送のインフラとなる遠距離拠点間の閉域網を構築しています。
5Gスライシングによって、放送局が用いる伝送帯域とリアルタイム性を確保しつつ場所を固定しないdocomo MECの利便性を両立して提供可能 となっています。大阪の映像伝送装置から送信された大容量データがMEC回線を経由して、千葉幕張の装置で受信されます。今回はスライシング技術に加えて複数のMEC回線をボンディングすることで、よりスループットの向上を目指しています。

マルチパス転送ゲートウェイ:MEC回線のアグリゲーションによる帯域確保
本展示では、NTT ネットワークサービスシステム研究所が開発している、Multipath QUICにNTT独自の機能を追加したパケットレベルのマルチパス通信を実現するゲートウェイを活用しています。
映像配信元拠点から帯域をアグリゲーションして発信し、MEC上で各配信先に転送しており、5Gの通信品質に応じた振り分け制御やFEC、帯域拡張・冗長転送の選択による低遅延・高信頼な通信を低コストで実現しています。

ブース展示のご案内
🔴 Hall4 ShowNetブースにて、実際のネットワーク構成をもとに展示しております。 MEC回線を通して伝送された映像を視聴することができ、リアルタイム伝送や閉域制御の技術を体験いただけます。 展示会にお越しの際は、ぜひShowNetブースへお立ち寄りください。お待ちしております!
参考: 展示会場MAP
セミナー登壇情報
本記載内容について、6月11日(木)16:05〜16:45の展示会場内セミナー「クラウドを活用した5GCスライシングとMECによる低遅延・安定通信ソリューション 」でも講演する予定です。ぜひ会場でご参加くださいませ。
🗓 6月11日(木)16:05〜16:45 🎤 セッションタイトル: 「クラウドを活用した5GCスライシングとMECによる低遅延・安定通信ソリューション 」 ~ShowNetと連携したプロビジョニングの現実と未来~
👉 詳細はこちら → セミナー情報ページ
おわりに
Interop Tokyo 2026 は、次世代ネットワークが「体験できる場」です。
docomo MECと5Gスライシングが拓く “つながる未来” を、ぜひ会場で直接ご覧ください!お待ちしております!
*1:ShowNetは、 最新のネットワーク技術・ネットワーク機器などを相互に接続し、 「5年後、10年後に必要となるネットワークの姿」を示すというビジョンのもとに 構築するコンセプトネットワークです。 ShowNetは最先端のアーキテクチャを動態展示するネットワークでありながら、 同時に来場者や出展社にインターネット接続性を提供するネットワークでもあります。
*2:NTTドコモが提供する「docomo MEC」のオプションサービスです。お客様端末とクラウド基盤をドコモのネットワーク設備を経由してダイレクトに接続、接続端末とクラウド基盤間の通信経路を最適化することでネットワーク伝送遅延を短縮します。
*3:2026年6月現在、Compute Eでは東京、大阪拠点、Compute Dでは東北、北陸、東海、四国、中国、沖縄拠点の計8拠点に対応しています。