NTTドコモR&Dの技術ブログです。

入社2か月の新入社員が展示会に挑戦!【WJ×WTP2026出展レポート第2弾】

1. はじめに

こんにちは。NTTドコモ 6Gテック部 新入社員一同です。

2026年5月末に開催された「ワイヤレスジャパン ×ワイヤレス・テクノロジー・パーク2026」(以下 WJ× WTP2026)において、6G実現に向けた最新の研究開発である、AIとネットワークの融合やカバレッジ拡張技術などを展示しました。

5Gが社会に浸透しつつある今、次世代の通信規格「6G」が人々の生活や社会にどのような変化をもたらすのか、まだ想像しにくいという方も多いのではないでしょうか。 私たち新入社員も説明員として参加しましたが、「6Gで何が変わるのか」を来場者に分かりやすく伝えることの難しさに直面し、技術の価値を再認識するきっかけとなりました。

本記事では、新入社員が展示対応を通じて技術理解を深め、伝え方を模索した過程をお伝えします。これから専門性を深めていく立場だからこその気づきや学びを共有することで、6Gに馴染みのない方にも親しみやすい入口になればと考えています。

ドコモブース

■この記事でわかること

  • 展示会でドコモが紹介した6G関連技術の概要
  • 新入社員が「技術を伝える」現場で直面した課題と、そこから得た気づき

2. 6G関連技術の概要

そもそも6Gではどのような技術が検討されているのでしょうか?ドコモでは6Gを推進する意義を5つの価値の側面から定義しています。

  • NW for AI:人間中心のユースケースから進化し、ネットワークがAIやロボットの機能を最大限に引き出すことを目標に、ネットワークによる計算リソースの提供やネットワークの高速大容量化・低遅延化などの実現をめざしています。

  • Connectivity Everywhere:「どこでもつながるネットワーク」を軸に、災害時の通信断エリアやまだ通信が届かないエリアへ衛星などを用いたサービスの提供をめざしています。

  • Sustainability:2030年のカーボンニュートラルや2040年のネットゼロに向けて、グリーンエネルギーの活用に加え、光と電気を融合させた技術(IOWN)を用いたデータ転送にかかるエネルギーの大幅削減やAIを使用し消費電力を抑える取り組みを進めています。

  • Efficiency:システム・運用のシンプル化によるコスト削減をめざして 、5Gよりもシンプルな全体設計に加え、AIを用いた自動運用化や設定の最適化の研究をしています。

  • Customer Experience:インフラとしての高い信頼性や多彩なデバイスでの快適なサービス利用のため、障害耐性の高いネットワーク提供だけでなく、デバイスの性能を最大限引き出すために、ネットワーク側で足りない計算リソースを補うことも行っています。

ドコモが掲げる6Gの5つの価値

WJ× WTP2026では、NW for AI, Customer Experience, Efficiency, Connectivity Everywhereの4つの価値に紐づく形で、6Gテック部が研究開発を進めている無線技術およびAI関連技術を展示しました。

展示内容の詳細はドコモのR&D ワイヤレスジャパン×ワイヤレス・テクノロジー・パーク 2026をご覧ください!

3. 展示会前の準備

入社直後で、技術者としても社会人としても経験が浅い私たちにとって、会社の一員として説明対応を行うことは、大きな挑戦でした。本番で多くの来場者の方に技術を分かりやすく紹介できるよう、まずは事前準備に力を入れました。

a. 展示技術の理解

i. 事前調査による学び

私たちのブースでは、通信の幅広い領域に関する技術を展示しており、普段担当している業務よりも広い範囲について説明することが求められました。配属して間もないこともあり、十分な知識がない状態からのスタートだったため、展示用パネルやスライドなどの資料を読み込み、分からない用語や技術について調査を行いました。

資料を読み進める中で、「人に説明する前提で学ぶと理解の深さが変わる」ということに気づきました。「なんとなく分かる」状態と「人に説明できる」状態では理解度が大きく異なります。展示会までに「人に説明できる」レベルまで理解を高めることが、私たちに与えられたミッションでした。

ii. 先輩からのアドバイス

また、自己学習と並行して先輩方からも多くのアドバイスをいただきました。各展示の技術的な新規性や価値、想定される質問とその回答など、自己学習だけでは得られない知識や知見を数多く学びました。 その中で特に印象に残っているのは、「相手に伝わる説明の重要性」です。

  • 相手の通信技術に関する前提知識に合わせる
  • 6Gでの具体的なユースケースを用いて専門用語を分かりやすく説明する

などの工夫が必要であると学びました。また、先輩に質問する過程で知識の差を実感する場面も多くあり、「自分も通信技術に関する専門的な知識をもっと学びたい」と感じる良い刺激にもなりました。

b. 展示ブースの設営

本番前日は設営にも参加し、展示会の準備の様子を実際に体験しました。そこでまず感じたのは、展示会の裏側には想像以上に多くの方の協力があるということです。先輩社員だけでなく、業者の方々や運営スタッフの方々など、さまざまな立場の方が連携しながら一つの空間を作り上げている様子が印象的でした。パネルやディスプレイの設置、ケーブルの配線、機材の搬入・配送、ブースの配置調整など、細かな作業が一つ一つ積み重なることで展示が完成していきました。

新入社員だけでなく先輩社員や業者や運営の方々によって完成していくブース

ディスプレイを運んでいる新入社員

ケーブルの配線をする新入社員

どれも普段あまり意識することのない部分ではありますが、このような丁寧な準備があるからこそ、来場者に技術を正確に伝えられる場が成り立っているのだと実感しました。今回の設営を通じて、「技術を伝える」ということは、説明だけでなく多くの方の支えにより成り立っていることを改めて学びました。

c. 展示会準備を通して

このような経験を通じて、自分も展示を支える一員として責任を持ち、役割を果たしたいという意識が自然と高まりました。翌日に控えた展示会本番では、事前準備で学んだ内容をもとに、来場者の方にとって分かりやすく、興味を持っていただける伝え方を心がけようと決意を新たにしました。また、実際の対話の中で得られる気づきを大切にし、今後の学びや改善につなげることで、技術に関する深い知識を持っていて高度な議論ができるよう成長していきたいと考えました。

4. 展示会中の様子

ここでは展示会当日の様子や、やり取りについてご紹介します。

a. 展示会場のリアルな雰囲気

会場は非常に大規模で、多くの来場者で常に賑わっており、通信分野への関心の高さを強く感じました。ドコモブースにも多種多様な方々が訪れ、企業関係者が中心である一方、業界他社の技術者や個人で参加している方の姿も見られました。学生は比較的少数でしたが、ポスター発表を行う学生の姿もあり、産学の交流の場となっている印象を受けました。また、明確な目的がなくとも立ち寄る方も多く、企業としての注目度の大きさを実感しました。

展示会中のドコモブースの様子

b. 来場者との対話から見えたこと

当日は事前準備の段階で想定していた内容に加え、実際の現場では幅広い質問をいただきました。

具体的には、資料に記載している内容や説明の再確認、技術的な詳細に関する質問に加え、ビジネス面での関心も感じられる場面が多くありました。たとえば、「どのような形で連携ができそうか」や「取組みの意義はどこにあるのか」といった現在の活動に関する質問がありました。また、説明内容を踏まえた改善のヒントとなるようなご意見や、私たちにはない他業種の視点から「今後どのように活用されそうか」といったユースケースの提案をいただくこともありました。

また自分が知らない技術に関する質問をいただく場合もありました。その時は対応可能な社員が新入社員1名しかおらず、知らないと回答することしかできませんでした。その後、先輩社員に正しい知識を教えていただき、再度同様の質問をいただいた際は1人で回答することができました。全体として、学生の頃と比べるとビジネスに関する質問が増えており、より実用面を意識したやり取りが多かったと感じています。

説明対応を行う新入社員

対応の際には、来場者ごとに関心や前提知識が異なるため、相手に合わせて説明の粒度や切り口を調整することを意識しました。事前に先輩社員のやり取りを参考にしながら臨みましたが、想定していなかった質問に対しては、その場で整理しながら伝える難しさもありました。また、技術だけでなく背景も含めて説明することの大切さを実感しました。このように、展示会では多様な視点でのコミュニケーションが求められる場面が多くありました。

c. 説明員を経験した学び

来場者と会話を重ねる中で、一般の方々から質問・意見を多数いただき、お客さま視点の重要性を再認識することができました。

対応開始直後は学生気分が残っていましたが、来場者と会話を重ねる中で、自分がドコモ社員の一員として見られていることを強く意識するようになりました。単なる説明ではなく、ドコモが果たす役割や意義を踏まえた説明へと意識が変わり、担当範囲だけでなくR&D全体や6Gの将来像まで視野を広げて話すことを心がけるようになりました。はじめての名刺交換や来場者からの好意的な反応も印象的で、大きなやりがいを感じました。

5. 展示会を終えて

今回のWJ×WTP2026は、新入社員にとって、はじめてドコモを代表して技術や展示を説明する場でした。ここで、6Gテック部新入社員8名の感想をご紹介します。

  • 来場者の「知りたい」という強い気持ちに触れ、通信速度だけではない6Gの多様な魅力を、使う人の目線で分かりやすく伝えられる説明力を磨きたいと感じました。

  • 商用観点という学会とはまた違う視点での質問を多くいただき自分の学びにもなりました。ここで得た知見を今後の活動に生かせればと思います。

  • ドコモの技術をドコモ外に伝える良い経験になりました。また、展示対応を通じて他のオペレータやベンダが今注力している技術を知ることができ、とても良い勉強になりました。

  • 多くの技術展示の説明を行い、研究を知ってもらえたことに喜びを感じた一方、知識不足や説明力不足などの課題を痛感しました。

  • 自分がドコモ社員の一員として見られていることを強く実感しました。ドコモが外からどのように見られているかを理解すると共に、知識や経験が足りていないことを実感できました。

  • ドコモの影響力を実感し、来場者の通信の多様な関わりと6Gへの関心の高さを知ることができ、非常に有意義な経験でした!

  • 素朴な疑問から、想定していなかった質問までいただき、自分の世界が広がったように感じました!

  • 「ドコモ社員として伝える」ことにプレッシャーを感じていましたが、やり遂げられてよかったです。自社技術の理解を深めるうえでも良い経験となりました!

学会発表とは異なり、商用化やビジネスに関する質問が多く、説明力不足や知識不足を実感する一方で、ドコモ技術の注目度と影響力を再認識しました。 また今回は、実際に通信サービスを利用するお客さまと直接お話しするはじめての機会でした。お客さまとの対話を通して、単に「技術を実現する」だけでなく、その技術が「お客さまの生活をどう豊かにできるか」を考えることの重要性を強く感じました。技術の背景にある「お客さまのために」という視点を忘れずに研究開発に取り組んでいきたいと思います。

ドコモの一員として、より良い通信サービスの実現に貢献できるよう、より一層頑張っていきます!今度は私たちが主体となって作り出した技術を発信したいですね!