NTTドコモR&Dの技術ブログです。

ドイツ・ミュンヘンで働く。ドコモのグローバルOJTで出会った『世界標準』を作る仕事の流儀  #ドコモユーロ研究所

1. はじめに

 こんにちは。欧州に位置するドコモユーロ研究所の中村です。
 いま、私はグローバルOJT生として、ドコモユーロ研究所にて、マーケティング・事業開発を担っています。今日は現在まで約8か月間のユーロ研究所での経験を通して私の目線から見たドコモユーロ研究所についてお伝えします!

 ドコモユーロ研究所では公式YouTubeLinkedInで積極的な情報発信を行っています。
 この機会にぜひ、チャンネル登録とフォローをお願いします!

www.youtube.com

2. この記事はこんな方におすすめ

  • NTTドコモのグローバルOJTに興味がある方
  • 海外キャリアへの挑戦を検討している方
  • NTT欧州拠点の雰囲気を知りたい方
  • 先進技術動向やEUに関連した内容で相談事項があるが、相談先に悩まれている方

3. ユーロ研…の前に、NTTドコモのグローバルOJTとは…?

概要

 グローバルOJTは将来的なグローバル人材育成を目的に運営されており、最大1年間NTTグループの海外現地拠点において業務を経験できるGCP制度と、半年間NTTドコモグループの海外現地拠点やNTTドコモグループ外の現地企業において業務を経験できる短期海外OJT制度の2つが存在しています。私はその中でも前者のGCP制度を利用しています。いずれも社員育成制度ではありますが、手取り足取り業務を教えてもらえるという環境ではなく、現地オペレーションに飛び込むことになります。
 いずれの制度も社内選考を経て海外の組織へ派遣となりますが、派遣先としてNTTドコモグループの海外拠点だけでなく、NTTデータグループや現地の子会社組織への派遣も希望できるため、自身のキャリア設計を考える上で非常によいシステムになっていると感じます。

 人事制度の詳細についてはこちらをご覧ください。

※短期海外OJT経由でNTTドコモグループ外の現地企業に派遣される場合は、派遣決定後にマッチングが行われます。
※短期海外OJT制度はNTTドコモの独自施策です。NTTドコモグループ各社で対象者/対象年次が異なります。詳しくは各社HPをご参照ください。
※記載の情報はあくまで2025年度のものです。研修制度は随時変更される可能性があります。

私のグローバルOJT

 5年目社員である私は、2025年度のグローバルOJT生として同年4月からドイツ・ミュンヘンに位置するドコモユーロ研究所に派遣されました。現地ではマーケティング・事業開発担当者として、YouTubeやLinkedInを通じたユーロ研と最先端通信技術に関する発信活動の強化や、新規事業の検討を進めています。
 私自身、海外経験が全くない中でグローバルOJT生として実務を通してチャレンジさせてもらっていることが、日々の成長につながっていると感じています。語学はもちろん、20代のうちにマイノリティの中で挑戦する経験を積めたことは、人生経験として非常に大きいものになっています。

4. ユーロ研ってこんなとこ!

ドコモユーロ研の役割

 ドコモユーロ研究所は、NTTドコモの次世代モバイル通信研究開発拠点として、2000年11月にドイツのミュンヘンに設立されました。私たちの揺るぎない使命は、将来のモバイルシステムの進化に貢献することであり、その実現のため、EULは通信技術の国際標準化のエキスパートを擁する「CoE(Center of Excellence)」6G、NFV、OpenRAN、ネットワーク仮想化の分野で革新を牽引しています。

これがドコモユーロ研のすべてだ!

 私たちは、所長を含め17名で構成される専門性の高い少数精鋭部隊であり、13名の研究員は多国籍(イタリア、スペイン、フランス、ギリシャ、インド、イラン、トルコ、フィンランドなど)で構成され、有機的に連携し合う組織文化が特徴です。私たちは、モバイル通信アーキテクチャ、国際標準化推進、そして国際的な情報ハブとしての役割を担うチームです。

 組織は、大きく分けて二つの専門領域で活動を推進しています。

 一つは、アーキテクチャ(全体設計)を担うチームです。2030年代の技術環境、社会的要件、産業エコシステムを予測し、それに適応する6Gネットワークアーキテクチャの定義や、将来の戦略立案を担います。活動の中心は、モバイル通信システムアーキテクチャを議論する国際標準化団体3GPP SA2です。マネージャーのマラは、6Gシステムアーキテクチャ検討項目のラポーター(主査)に任命されるなど、6G標準化を牽引しています。(マラの奮闘記はこちら

 もう一つが、仮想機能/ネットワークインフラを担うチームです。NFV(ネットワーク機能仮想化)やネットワークのクラウド化技術の国際標準化に注力します。彼らは、通信ネットワーク機能のソフトウェア化という中長期ビジョンをめざしており、ネットワークをより柔軟、効率的、費用対効果が高く、持続可能で信頼性の高いものにすることを目指しています。この分野では、ETSI NFV(Solution Working GroupやInterfaces and Architecture Working Groupの副議長職を現職として務める実績あり)や、O-RAN Allianceを活動のベースとしています。

 これらの活動は、いわば、次世代通信という壮大な「建築プロジェクト」における、設計図(アーキテクチャ)を作成する棟梁と、その設計図に基づき柔軟で持続可能な建材(仮想化インフラ)を開発する専門家集団に例えられます。両輪が連携することで、5G/6G時代の持続可能で信頼性の高いネットワーク基盤の実現に不可欠な貢献をしています。

ドコモユーロ研のいま

 現在、ドコモユーロ研は、6GとIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)時代のモバイル通信基盤の国際標準化を強力に推進することに注力しています。直近の標準化活動では、6Gの国際標準化における仕様検討に深く関わっており、3GPPにおいてメンバーが6Gシステムアーキテクチャのスタディアイテムのラポーターを務めるなど、その活動は活発です。特に、省電力化やAI/機械学習を活用したネットワークマネジメント技術など、持続可能性(SDGs)と経済性の両立をめざす通信アーキテクチャの検討は、喫緊の課題として強く意識されています。

 また、ユーロ研は標準化活動に限らず、国際的な情報ハブとしての役割を強化しています。私たちは、従来のR&D中心の活動だけでなく、より事業に直結した情報提供を重視しており、YoutubeやLinkedInでの情報発信活動を活発化させています。さらに、各メンバーがエキスパートとして提供する「生の知見」・「一次情報」を活用し、通信キャリア、コンサルティング会社、事業会社、政府機関など、多様なお客様の戦略立案や、難解な技術議論が事業に及ぼす影響の検証を支援します。私たちは、「困ったときはユーロ研に聞いてみよう!」と言ってもらえるような、頼れる国際拠点を目指しています。

5. OJT生 中村が見たドコモユーロ研

働き方と環境

 ユーロ研が位置する、ここミュンヘンは欧州の中でも特に働き方が特徴的です。平日でも8時になるとほとんどのお店が閉まりますし、日曜日も大半の小売店は営業していません。働くときは働く。休む時は休む。という文化なのです。ユーロ研も例外ではなく、日本に比べて働き方のメリハリを重視していると感じます。日本に比べて夏季休暇やクリスマス休暇を長期間取得するのも特徴的です。(他企業では欧州の休暇日程を日本側で織り込んでおらず、プロジェクトが遅延するという話もあったそうなので、欧州関連プロジェクトに従事される方はご要注意を…。)

 また、ミュンヘンは欧州、ドイツ国内で最も治安がよい都市として知られています。年齢や性別に関係なく街を安全に歩くことができるという側面からもオン・オフともに健康に過ごせる環境であるといえるでしょう。

 ドイツ人の働き方を理解するにはこちらの書籍がおすすめです。

技術力の高さ

 研究員はそれぞれ、専門領域を持っています。具体的にはAIやIn Network Computing、Network SensingやNTNなど多岐にわたります。各人それぞれが標準化団体でプロフェッショナルとして自身の能力を発揮するからこそ、ユーロ研の役割は果たされているのです。

 また、ユーロ研メンバーの約半数が博士課程を修了している点からも彼らの技術的知見の深さが伺えます。
 ユーロ研のYouTube撮影では、収録前に動画で取り扱う題材について彼らと議論を深め、どういった内容を収録するかを詰めていきます。その際、私は伝わりやすさやマーケティング目線で思考し、シナリオ作りをしますが、彼らは技術的観点から見て適切でない表現があれば、漏れなくコメント・修正します。時にはそれが伝わりづらさを招く恐れがあり、議論が必要になることもありますが、彼らの一言、一単語へのこだわりには感服します。細部にこだわる研究者としてのプライドと責任感を感じます。

 また、そんな彼らと通信、ひいてはテックの未来について議論している時間は、私にとって本当に楽しく、贅沢なひとときです。最先端を走るインターナショナルな彼らだからこそ見えている『数年〜10年先の未来』。それに耳を傾け、世界がどこに向かうのかを考える経験は、日本ではなかなか得難いものです。彼らは単なる技術屋ではなく、未来の水先案内人なのだと感じます。

 そんな『未来の景色』が見えている彼らに、あなたのビジネスの悩みをぶつけてみませんか?
 こちらからぜひお問い合わせください!

 6Gを形作る次世代技術の詳細については、こちらの動画をチェックしてみてください!

 youtu.be

職場の雰囲気

 非常にアットホームです。オフィスは各人に居室があり、独立しています。働き方としても、それぞれのメンバーが国際会議で活動するなど、それぞれが個々人で活動できる側面が大きいです。だからこそ、スモールトーク・雑談の時間を大切にしています、具体的には昼食は可能な限り全員で取り、昼食後にはカフェタイムで雑談、定期的にソ-シャルイベントを開催して親睦を深めるなどです。
 OJT生として参加した当初から現地メンバーと気軽にコミュニケーションを取れる時間があることはとてもありがたかったですし、今後も続いてほしい文化ですね!

ミュンヘンが本場のオクトーバーフェスト!

6. さいごに

 いかがだったでしょうか?この記事を通して、NTTドコモのグローバルOJTとドコモユーロ研究所に興味を持っていただけたらうれしいです!

 もっとドコモユーロ研究所について知りたいという方は公式YouTubeのフォローをお願いします!
 「こんなこと相談してみたい!」「こんな協創ができるのではないか?」という方は下記公式サイトもしくはLinkedInからお問い合わせください。

リンク集