初めまして。NTTドコモ 6Gテック部の成です。
私は2025年10月にキャリア採用でドコモに入社し、現在はモバイル通信の標準化、特に3GPPにおける標準化活動を担当しています。主にRAN1を担当しており、今年2月には初めてNTTドコモの代表としてスウェーデン・ヨーテボリで開催されたRAN1#124会合に現地参加しました。
モバイル通信や3GPPの標準化がどのような仕事かについては、こちらの記事(ドコモの標準化の仕事と、知的財産への取組み - ENGINEERING BLOG ドコモ開発者ブログ)でも詳しく紹介されています。本記事では、3GPP標準化活動を中心に、私自身の経験から感じたドコモの環境や仕事の魅力をお伝えします。

標準化活動を支えるドコモの環境と魅力
私が最も感じたのは、長く3GPP標準化の現場をグローバルにけん引してきた通信事業者(オペレーター)であるドコモならではの、標準化活動を力強く推進する環境です。ここでは特に私が魅力的だと感じた3つのポイントをご紹介します。
会合前の「sync up」機会の活用
3GPP会合では、世界中の通信関連企業から膨大な数の技術提案を含む寄書が提出され、議論が行われます。会合期間中に効果的に議論に参加するためには、事前の情報収集や関係者との認識合わせが非常に重要です。

ドコモでは、国内外のステークホルダーのコネクションを活用し、重要な会合前に特定の議論ポイントについて課題認識をすり合わせて意見交換をするための「sync upミーティング」を関係者と行う機会が適宜設けられています。これにより、重点的な議論ポイントがより明確な状態で会合に臨むことができ、より戦略的かつ効果的に議論参加することが可能です。
また、こうした場には若手メンバーも積極的に参加しています。会合本番さながらの雰囲気で他社の関係者と直接ディスカッションする経験は、若手にとって本番の議論に向けた絶好のトレーニングの場にもなっています。
サービスの実運用視点を中心とした標準化活動
ドコモでは「自分たちがお客さまに提供したいサービスを実現するために、どのような技術仕様が必要か」という事業者ならではの視点が常に中心にあります。
たとえば、商用部門から「将来、こういうサービスを実現する価値が有る」といった意見が共有され、それを実現するための技術課題は何か、標準仕様にどう落とし込むべきかを議論します。自分の標準化活動が、お客さまの未来の体験に直接つながっているという実感は、大きなやりがいとモチベーションになっています。
個人の成長を加速させる「チームワーク」と「連携力」
現在、私が担当する技術テーマの領域は、6Gに向けた要素技術としてModulation*1、PRACH*2、Multi-carrier*3など、広い領域の技術テーマを担当しています。それをプレッシャーに感じることなく、むしろ挑戦を楽しめています。その背景には、ドコモの強力なチームワークと組織的な連携体制があります。
各々の担当テーマは、できるだけ複数人で担当する体制になっています。普段の技術的な議論でチーム内の情報を密に共有しているため、3GPP会合で複数のセッション時間が重なってしまった場合でも、互いに手分けして参加し、議論を漏らさずフォローすることができます。たとえば、2月の3GPP会合で、私が担当するModulationとPRACHのセッションが重複した際も、チームメンバーと協力することで両方のセッションの議論内容をしっかり把握できました。このように一人で抱え込まず、チーム全体でパフォーマンスを最大化していく体制が、多様な技術課題への対応力を伸ばしてくれていると実感します。

さらに、標準化部門内だけでなく、研究開発やサービス開発、ネットワークの商用運用といった関連部署との間にも風通しの良い連携チャネルがあります。開発や商用運用のリアルな情報が迅速に共有されるため、地に足のついた説得力のある技術提案が可能です。このような組織全体の協力体制が、個人の能力を最大限に引き出し、成長を後押ししてくれていると感じます。
キャリア採用者が「即戦力」として活躍するために期待されること
このセクションでは、私自身の経験から感じた、キャリア採用者が「即戦力」として活躍するために期待されることについてお話しします。
「即戦力」と聞くと、これまでの経験や専門知識をすぐに発揮することだけをイメージするかもしれません。もちろん、自身の持つスキルやノウハウを新しい環境で活かすことは大前提として重要です。
しかし、それと同じくらい大切だと感じているのが、新しい環境に柔軟に適応し、積極的にコミュニケーションを取る姿勢です。過去のやり方に固執するのではなく、「ここではどうなっているのか?」を素直に学び、周囲のメンバーと積極的に対話することで、自身の経験とドコモの強みを融合させることができます。
これまでの経験を活かしてチームに新しい視点をもたらしつつ、新しい環境からも貪欲に学ぶ。これら二つのポイントが揃った際に、キャリア採用者は単なる「経験者」ではなく、チームに新しい価値を生み出す「即戦力」になれるのではないかと思います。
おわりに
今回は、私がドコモに転職して感じた標準化活動を支える環境の魅力と、キャリア採用者に期待されることについてお話ししました。
このブログを読んで、皆さんがご自身のキャリアを考える上での一つの参考になったのであれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。