NTTドコモR&Dの技術ブログです。

ドコモのエネルギーに関するサステナブルな取り組み、ご紹介します!

こんにちは!この記事は、NTTドコモ R&D Advent Calendar 2022 5日目の記事です。 「グリーン基地局」や、「デマンドレスポンス(DR)」、「地域エネルギーマネジメント」って聞いたことありますか?今日はグリーン電力・スマート電力の開発・運用や、ビジネス化に取り組むクロステック開発部の取り組みをご紹介します!

カーボンニュートラル達成に向けた取り組み

NTTドコモでは、自社の事業活動での温室効果ガス排出量を2030年までに実質ゼロにする2030年カーボンニュートラルを発表しています。また、自社のみならず、お客さま・パートナー企業とともに社会全体のカーボンニュートラルに貢献するために、「あなたと環境を変えていく。」というスローガンを掲げ、カーボンニュートラルに向けた取組み「カボニュー」も開始しています。

グリーン・スマート電力のビジネス化への取り組み

クロステック開発部では、通信における環境配慮の取り組みや電力コストの削減・効率化、電力を使った基地局へのグリーン化推進や、新たなビジネス創出に取り組んでいます。

 今回は、その中から、皆さんの生活にも身近な3点をご紹介します!

  ◆再生可能エネルギーを活用した環境に優しい「グリーン基地局」

  ◆電力を自動でピークコントロール!「デマンドレスポンス(DR)」

  ◆地域(社外インフラ)の太陽光発電・蓄電池設備を一元管理する「地域エネルギーマネジメント」

取り組み①:グリーン基地局

グリーン基地局とは、再生可能エネルギーである太陽光発電やその電力を有効に充電するリチウムイオン電池を搭載した環境に優しい基地局です。 2021年度末で全国に約270局あり、運用に必要な電力の2~3割を基地局内に設置した太陽光パネルでまかなっています。

グリーン基地局

グリーン基地局は以下のような特徴があります。 ◆環境に優しい!発電量 全国のグリーン基地局・ノードビルでの発電量の合計は2,000kWを達成!これは家庭1,000軒相当の電力量です。

◆災害にも強い!蓄電機能 また、グリーン基地局内に設置している、通常の電力から給電している蓄電池での電力バックアップにより、長期停電にも対応が可能です。北海道胆振東部地震では約29時間電源を維持し、災害においても通信を止めずに対応できました。

グリーン基地局は災害にも強い

◆導入しやすい!設置コスト削減 太陽光パネルは、これまで基地局の空いた地面に基礎を構築して直接設置していましたが、基地局収容函の屋根に設置することで、低コストでの設置が可能になりました。

設置した太陽光パネル

 これからさらにグリーン基地局を増やしていく予定です。

◆わかりやすい!データ見える化  各エリア・各基地局が日々どのくらい発電しているか、CO2削減量はどのくらいかを「グリーンモニター (EMS基盤)」で見える化をしています。

取得データをグリーンモニターで見える化

取り組み②:DR

DR(デマンドレスポンス)とは、エネルギーリソースを制御することで、電力需要パターンを変化させるというものです。 今年の夏も省エネ・節電要請がありましたね。実はドコモでは、その要請に応じて関東エリアにある無線基地局の電力消費量を調整する「DR」を行っていました!

DR(デマンドレスポンス)の流れ ◆節電要請 電力会社からの節電要請信号を受信すると、自動的にドコモのEMS(エネルギーマネジメントシステム) 基盤が対象基地局を選択しその節電時間を設定します。 ※自主節電として、ドコモ側で節電設定することもあります。

DR(デマンドレスポンス)の流れ

◆蓄電池から放電  指定した時間帯は蓄電池の電力も使い基地局を運用することで、使用電力量を減らします。

蓄電池の電力も使い基地局を運用

◆節電量はドコモの利益に 要請に応じて節電すると、社会貢献はもちろんのこと、その節電量に応じてドコモに利益として返ってきます。

利益享受と社会貢献の両立

取り組み③:地域エネルギーマネジメント

地域エネルギーマネジメント(社外向け)とは、消費・発電電力、蓄電池情報の可視化・遠隔制御ができるシステムのことです。 仙台市様・東北大学様と実証実験中の取り組みです!

地域エネルギーマネジメントシステムができること

◆各拠点の電力を一元管理  仙台市内の指定避難所(小中学校等)に設置されている、太陽光パネルの発電量や蓄電池の充電量・消費量が一元管理できるようになります(運用拠点数は順次拡大)。太陽光パネルや蓄電池装置のメーカーが異なっても一緒に管理ができ、どの拠点でどのくらいエネルギーを発電しているのか、蓄えるのかをまとめて確認できるのが特徴で、災害時のスムーズな対応や省電力への活用を検討しています。

各拠点の電力を一元管理

◆避難所モニター  災害発生時には、各避難所の蓄電状況や、太陽光パネル設置有無、避難場所の防災無線や照明など防災機器や、スマートフォンの充電などがどのくらい消費すると電力が尽きるかのシミュレーションなどが、スマホやタブレットから確認できる仕組みも作っています。

避難所モニター

◆電力の自動制御  さらに、通常時では、各拠点の電力消費ピークを把握し、どの放電量・期間が効果的か検討・ピーク時は蓄電池から放電することで、電力の基本料金削減ができるようになります。

電力の自動制御
 自治体と連携し、地域の災害対応力向上や、再生可能エネルギーの円滑運用を進めています。

以上、ドコモのサステナブルな取り組みのご紹介でした! これからも、ドコモは事業を通じてSDGsなど様々な社会課題の解決に取り組みサステナブルな社会の創造に貢献します。