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【受験体験記】IPAプロジェクトマネージャ(PM)試験2025秋に挑戦してみた話

■ 自己紹介

NTTドコモ情報システム部伊山です。 今回、2025年10月12日に実施されたIPAプロジェクトマネージャ試験を受験してきました。 試験前は対策の参考やモチベーション維持のため、Qiitaの受験体験記をよく読んでいたため、自分も少しでもこれから受験する方へ役立てるような記事を残したいと思い執筆しました。 試験は無事に終えましたが、現在は2025年12月25日(木)に発表される結果待ちの状態です。

■ 受験のきっかけ

弊社情報システム部での業務において、端末アプリやサーバーの開発運用に携わる中で、プロジェクト全体のマネジメント力を高めたいと感じるようになりました。 資格取得の勉強の中で体系的な知識を身に着け、それを自身の実務経験を結びつけることが今後のキャリアにおいて重要であると考え、IPAの高度試験の中でも特に実務に直結する「プロジェクトマネージャ試験」に挑戦することを決意しました。

■ 勉強方法

1. 試験の構成理解

IPA公式サイトで試験の構成(午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱ)を確認しました。 出題形式や試験時間など基本的な試験構成を確認し、受験に向けてイメージを固めました。

2. 対策の検討

合格者の合格体験記を読みながら、教材の選定及び勉強スケジュールの策定を行いました。 Qiitaの合格体験記や資格テキストなどを確認すると、午前Ⅰ免除の場合はおおむね5月~7月から対策をしているようでした。 私は午前Ⅰ免除が無かったため、全体的な学習時間は多めに取った方が良いと考え、少し早めから対策スケジュールを組みました。 また、午後Ⅱの論文が難関とされているため、早めに論文対策を始めることにしました。 約半年前の4月から対策を始め、大まかなスケジュールは下記のような感じでした。

4月~5月前半(基礎固め開始)

午前Ⅰ対策(免除なしの場合)

・Udemy講座「応用情報技術者試験 科目A」受講(基礎知識インプット)

午前Ⅱ対策

・『情報処理教科書 PM』第1章を通読

5月後半~6月中(午前演習+午後Ⅱインプット)

午前Ⅰ対策(免除なしの場合)

・応用情報技術者試験ドットコム 過去問道場

午前Ⅱ対策

・『情報処理教科書 PM』第1章を再度通読

・プロジェクトマネージャ試験ドットコム 過去問道場

午後Ⅱ対策

・『情報処理教科書 PM』第2章を通読

・YouTube「PM試験 独学サポート動画」視聴(論文構成の基本理解)

7月(午後Ⅰインプット+論文設計)

午後Ⅰ対策

・『情報処理教科書 PM』第3章を通読

午後Ⅱ対策

・論文テンプレート作成(章立て+執筆ネタ整理)

8月~9月(過去問演習)

午前Ⅰ対策(免除なしの場合)

・応用情報技術者試験ドットコム 過去問道場

午前Ⅱ対策

・プロジェクトマネージャ試験ドットコム 過去問道場

午後Ⅰ対策

・『情報処理教科書 PM』第3章掲載の過去問を実施

午後Ⅱ対策

・『情報処理教科書 PM』第2章掲載の過去問を実施

3. 使用教材

午前Ⅰ対策(免除がある方は対策不要です)

・Udemy講座の受講

docomocstd.udemy.com

はじめに、基礎知識を入れることを目的として、上記講座を受講しました。 色々な分野が網羅的に取り上げられているので、IT系全般の知識の習得という面においては役立つコンテンツかなと思います。 一方で、こちらのインプットでかなり時間を取られてしまったため、この試験の合格のみを目的とする場合は、午前Ⅰについては免除を獲得するか過去問に絞った対策にするのが良いかと思いました。 ちなみに、午前Ⅰ免除の条件は過去2年間で下記どれかを満たしていることです。

  1. 応用情報技術者試験(AP)に合格している
  2. 高度試験または情報処理安全確保支援士試験に合格している
  3. 高度試験または情報処理安全確保支援士試験の午前Ⅰ試験で基準点以上を取っている (不合格でも午前Ⅰだけ突破すればOK)

・過去問

www.ap-siken.com

Udemyでの知識のインプット後は、過去問を用いた対策に取り組みました。 直近2回分は問題の使いまわしをしない傾向があるため、直近2回分は除いた過去6回分を使って対策を行いました。 一問ずつ問題を解く→解説を読むという流れで、分からない問題が無くなるまで繰り返しました。 なるべく回答そのものの記憶はせず、「どうしてこの正解にたどり着くか?」という考え方の部分を理解して記憶することが重要か思います。 また、直前に力試しをかねて直近2回分の過去問を解きましたが、8割前後の正答率でした。

午前Ⅱ対策

・テキストの通読

www.shoeisha.co.jp

午前Ⅱについては本テキストの「第1章 基礎知識」の項を2~3週くらい通読し、基本的な知識を取り入れました。

・過去問

www.pm-siken.com

テキストでの知識のインプット後は、過去問を用いた対策に取り組みました。 こちらは直近1回分を除いた過去6回分を使って対策を行いました。 午前Ⅰと同じく、一問ずつ問題を解く→解説を読むという流れで、分からない問題が無くなるまで繰り返しました。 こちらも直前に力試しをかねて直近1回分の過去問を解きましたが、9割前後の正答率でした。

午後Ⅰ対策

・テキストの通読

『情報処理教科書 プロジェクトマネージャ』(翔泳社)

本テキスト「第3章 午後Ⅰ対策」を通読し、午後Ⅰ問題を解く上で必要になる知識や考え方についてインプットを行いました。

・過去問

『情報処理教科書 プロジェクトマネージャ』(翔泳社)

本テキスト「第3章 午後Ⅰ対策」に掲載されている過去問やその解説などをつかって問題文の読み方や、設問の意図を捉える練習をしました。 過去問はテキストに掲載されているものについて、2周ほど解きました。 1周目は時間を計測しながら時間内に解いてみて、その後は解説を読みながら問題文の読み方や設問を導くまでの考え方が正しかったかを確認しました。2周目は、1周目で確認した問題文の読み方や設問を導くまでの考え方を思い出しながら、設問に回答することを意識して解きました。

午後Ⅱ対策

・テキストの通読

『情報処理教科書 プロジェクトマネージャ』(翔泳社)

本テキスト「第2章 午後Ⅱ対策」を通読し、午後Ⅱ問題を解く上で必要になる知識や考え方についてインプットを行いました。

・YouTubeの動画講座の受講

www.youtube.com

初めて論文試験を受ける人にはかなりおすすめの動画です。 論文の構成の作り方をモジュールの組み合わせとして紹介されており、初心者向けにはとても参考になる内容でした。 こちらの動画を参考に、論文の組み立て方を練習しました。

・過去問

『情報処理教科書 プロジェクトマネージャ』(翔泳社)

午後Ⅱについては本テキストの過去問とサンプル論文を読み込んで、構成の仕方、設問への対応方法、時間内に書き切るためのテクニックなどをインプットしました。 また、過去問を用いたアウトプットも行いました。 論文としてすべて書ききったのは最初の1回で、その後は構成および、ざっくりとした概要を組み立てる練習を中心に行いました。

■ 試験当日の様子と今年の傾向

午前Ⅰ・Ⅱ

午前Ⅰは会場の8割くらい、午前Ⅱは会場の5割くらいの人が受験していました。 今回の会場には時計はあったものの、5分くらいずれていたので、時計は持参した方が良いかと思います。 今年の傾向としては過去問と比較して大きな傾向の変化は無く、時間配分に注意すれば対応可能でした。

午前Ⅰは、マネジメント・ストラテジ系の問題については範囲がある程度限られているため、過去問を用いた演習などでマネジメント・ストラテジ系の問題を落とさないことが大切だと思います。テクノロジ系は範囲が広めなので、全て完璧に解き切るのはかなり難しいため、知識のある問題は確実に押さえること、分からない問題は深追いしないことを意識して解きました。 また、傾向として情報セキュリティ系の問題数が年々増えている感覚があり、情報セキュリティが世間的にも重要とされている情勢から、今後もこの傾向が続くのではないかと思います。

午前Ⅱはマネジメント系問題が15問、テクノロジ系が7問、ストラテジ系3問でした。 例年も同じくネジメント系問題が15問程度出題され、その他の分野から10問程度出題される傾向があり、今回も変わりありませんでした。 そのため、マネジメント系問題を取り切れれば、60%の合格点にはいくので、マネジメント系問題を抑えつつ、他の分野の知識がある分野を正解できれば十分合格点にたどり着くのではないかと思います。

午後Ⅰ

昼休み明けの試験で、会場の4~5割くらいの人が受験していました。 設問文が長く、読解力と要点整理力が求められます。 解き方は人によりますが、私は初めに設問を読むようにしていました。

最近の傾向として、1つの設問に対して1つの段落がリンクしているため、設問がどの段落に対応しているか、設問ごとに「何を聞かれているか」を明確にしたうえで、設問に関連するキーワードを拾って記述するよう意識して対策しました。 今年の傾向としても、問題構成は最近の傾向と同様だったため、対策した通り設問にマークしながら、キーワードを上手く拾って読み進めることができました。

午後Ⅱ

会場の3~4割くらいの人が受験していました。諦めて試験時間途中で帰宅する人も多かったです。

午後Ⅱの試験の位置づけが、過去の経験をもとに論述するというものであることから、過去の傾向として、ウォーターフォールでの記述向きの問題1問とアジャイルでもウォーターフォールでも記述できる問題が出る傾向がありましたが、今年は第1問がチームの育成計画、第2問がリスクマネジメントで、問題文や設問の内容を見た感じだと、アジャイルでもウォーターフォールでも記述可能な問題に見えました。過去の経験でアジャイル型のプロジェクトの経験もある受験者が増えつつあることから、今後もアジャイル型向きの問題が出てくる傾向が進んでいくのではないかと予想されるため、どちらの論文事例も準備した上で受験するのが良さそうです。

問題選択するときに、準備した論文事例で書きやすいものを選定し、その後問題文に合わせて全体構成を考え、各設問を記述するという流れで進めました。 私は第2問を選択し、時間配分としては、構成の作成:30分、設問ア:30分、設問イ:40分、設問ウ:20分で進めました。 時間配分が厳しく、設問ウの記載がやや駆け足になってしまいましたが、構成は事前に練習していた通りに書き切ることができました。

■その他役立ったもの

・社内コミュニティ

弊社内でIPA試験合格に向けた有志の集まりがあったため、そちらの中のプロジェクトマネージャ試験チームに参加していました。 具体的な活動内容としては下記の通りで、 過去の合格者の勉強方法の紹介や勉強方法などについての相談会

  • 論文対策会(お互いの論文の骨組みを共有しコメントしあう)
  • 今年度受験者の互いの対策状況の共有
  • 勉強方法などを聞いて参考になったことはもちろん、他のメンバーと対策情報などを共有することによって、モチベーションアップになったので、すごく良かった取り組みでした。
・アジャイル開発の知識・経験

私は弊社内でアジャイル開発のプロジェクトを3年ほど経験してきており、ここで得た知識・経験が役に立ったと感じました。 近年、午前・午後どちらでもアジャイル開発に関する設問が増加傾向にありますので、アジャイル開発の知識はしっかり入れておくことをお勧めします 午前問題ではアジャイルの基礎的な知識が役立ちました。 特に「アジャイル宣言」「スクラム」「ユーザーストーリー」などの基本概念や、ウォーターフォールとの違いを理解しておくことで、選択肢問題や記述問題に対応しやすくなります。 午後問題ではアジャイル開発を題材にした設問が近年出題されることが多く、アジャイル開発の意識や経験が「変化への対応」「チーム運営」「リスク管理」「合意形成」など、さまざまな設問で役立ったと感じています。

■ おわりに

今回の受験を通じて、プロジェクトマネージャ試験は単なる知識試験ではなく、論理的思考力、そして時間内に構成をまとめる力が問われる試験だと痛感しました。 特に午後Ⅱ論文は、文章力や経験だけでは乗り切れず、事前の準備と構成力が重要だと感じました。 この記事が、これから受験される方の不安を少しでも和らげ、勉強のヒントになれば幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。