NTTドコモR&Dの技術ブログです。

初心者でも大丈夫!データ分析実務スキル検定(PM級)を攻略した私の経験

NTTドコモ サービスイノベーション部の山川です。
今回はデータ分析実務スキル検定とはどのような資格なのか、どのように勉強を行い合格したのかを解説したいと思います!
また、今回私はデータ分析初心者の立場で受験を行なっておりますので、データ分析を始めたばかりの方でスキルアップで資格取得を検討している方の参考になればと思います!


データ分析実務スキル検定とは

データ分析実務スキル検定プロジェクトマネージャー級(PM級)は、円滑なコミュニケーションを通して全社横断的なデータ活用の推進を支える知識・スキルを問うために、ビジネス側の人材が身につけておくべきデータサイエンススキル、IT知識、データ分析の実務経験を可視化・評価する検定です

試験概要

【問題数】60問(多肢選択式)
【試験方法】コンピューター上で実施するCBT等のオンライン形式。
【時間】90分
【合格ライン】97点満点で64点以上
【受験方法】全国のオデッセイコミュニケーションズCBTテストセンターにて申込できます(自宅近くの試験センターで受けました)。
【受験料金】11,000円 (税込)

 試験範囲

(1)ビジネス課題の明確化
知識として問うのが難しいため本試験では問わない

(2)分析プロジェクトの立ち上げ
・業務目的に応じて適切なKPIツリーを作成することができる
・データの取扱いに関する利用規約、法令やガイドラインを理解している

(3)データ準備
・分析に必要な前処理を理解している
・SQLの基礎的なスキルを獲得している
・基本的なデータ可視化手法を理解している
・基礎集計を通じてデータの全体像や質を確認することができる

(4)施策提案、モデリング、評価等
・業務目的に応じて適切なコーディング(R/Python)ができているかをおおよそ確認できる
・基本的な統計手法を理解している
・主要な機械学習の概要と使い分けを理解している
・予測モデルの評価観点とモデル改善のための対応手法を理解している
・施策の評価と効果検証ができる

(5)レポーディング、業務への組み込み
知識として問うのが難しいため本試験では問わない

データ分析実務スキル検定公式サイトから抜粋

資格名の通り、機械学習のモデリングに特化した内容!といったものではなく、分析プロジェクトの立ち上げから評価まで、実際に実務におけるフローを幅広くカバーした内容になっています。

受験時の経歴

本資格取得時の私の経歴は以下になります。

  • 本業務:システムエンジニア(普段の業務ではデータ分析に関わっておりませんでした)
  • データ分析経験:社内研修でとあるテーマに対して数ヶ月ほど分析を実施
  • データ分析関連所持資格:G検定
  • 言語経験:perl,python,C++,R(基礎の基礎ぐらい)

上記の通り、基本的には普段仕事でデータ分析に特段触れているわけではありませんでした。

本資格は実際のデータ分析を実務で行う際に求められているものを図る資格になりますが、逆に本資格を通じてこのあたりを抑えることで今後データ分析に関わる際にスムーズに業務が行えるのでは!?と考え受験を試みました。

勉強法

私が本資格を取得する際に行なった勉強の前にオンラインで受講できる対策講座と参考書籍を紹介します。

対策講座・関連図書

対策講座

gaccoセレクト有料講座(こちらはdocomoのgaccoというサービスで提供されています)

Udemy 演習形式で学ぶ – データ分析実務スキル検定CBAS合格への道

対策講座はともにデータ分析実務スキル検定を実施しているdatamix社が開講しているものであり、試験本番の内容を踏まえた学習内容になっています。 データサイエンス、データ可視化、プログラミングといった分野を中心としている講座であるため、その他範囲と学習には下記の公式テキストをオススメします。

関連図書

データ分析実務スキル検定公式テキスト

名前の通り公式テキストです。全試験範囲をカバーしているので、これ一冊で本資格の出題範囲の学習が可能です。模擬試験一回分付き。


今回私は公式テキストとUdemyの講座を受講しましたのでこちらの感想を踏まえて私が実践した勉強方法をお伝えします!

1. 公式テキストを一通り読む(5時間)

まずはさらっと公式テキストを一通り読んでみました。 私は後にUdemyの講座を受講する予定だったので、公式テキストを読む際にはプログラム言語部分では特に手を動かすことはしてませんでした。

全体的に、試験で問われるレベルを超えた内容にも触れているテキストとなっています。 また、個人的には統計学部分は少しわかりづらい説明だったので、 統計学の時間 | 統計WEB こちらのサイトを参考にして理解を進めました。

2. Udemyの講座を受講する(6時間)

Udemyの講座では基礎知識の説明に加えて実際に問われるような問題をテーマにして解説を行なってくれます。 また、SQL,R,Pythonの問題に関しては手を動かせる環境も用意されているので、実際に手を動かしながら受講することをおすすめします!

統計学,SQL,R,Python,機械学習,グラフの読み取りを各単元ごとに例題を見ながら解説&ポイントの説明があります。 説明がわかりやすく、公式テキストでわかりづらかった部分もよく理解できました。 ※KPI、法令関連、エクセル等の内容は含まれておりませんが、KPI、法令関連は試験で問われるのは常識問題的な内容のためエクセル問題対策としてピポットテーブルと基礎関数の活用法を別途抑えておけば大丈夫です。

3. 公式テストの模試を解く(90分)

模試は初回は試験時間通りに解くことをおすすめします! 試験概要を見てもらえばわかるとおり、90分間で60問を解く必要があるので、一問あたり1分半で解く必要がありそこまで時間的な余裕がない試験ですので、一度時間感覚を掴むのは大事です。

4. 公式テキスト付属の模試の復習 (2時間)

こちらが一番勉強を進める上で大事なポイントとなります。 実際に試験を受けてみると、模試で問われている内容とほぼ同一の内容の問題が8割以上を占めていることを実感しました。 合格点の基準も”97点満点で64点以上を取る”ことであるので、おそらくこの模試で問われる内容を完璧にするだけでも合格点に達することは十分に可能だと思います。 そのため、公式テキストの内容でよく理解が出来ない部分があっても、この模試だけは完璧に理解して試験に望むことをオススメします!

5. 再度Udemyの講座を流し見する(2時間)

最後に復習として、Udemyの講座で完璧でない部分を流し見しました。 振り返るとここでも講座で説明される内容は模試に沿った内容のものであるため、模試での理解の確認という観点でも役立ちます


※極力少ない教材で勉強したい方は。。

公式テキストの購入をおすすめします! その大きな理由として、 「公式テキストには模試が1回分付いています 」

それだけ?と思うかもしれませんが、実は全体の問題の傾向を把握する手段はこの模試しかないのです(2023年12月時点)

そのため、これが最終的には非常に参考になりました。このためだけにでも買う価値があるといっても過言ではないです! また、実際に受験してみるとこの模試に近い問題が数多く出題されてました。 (値を変えただけ、選択肢を変えただけ 等々) ただ、欠点が一つありこの模試には解説がついていません。 しかし極端に難しいは出題されないため、公式テキストを見たりググったりすることで正答だけでなく違う回答のどの部分がおかしいかは把握することができるレベルです。

受験時の注意点

・エクセル問題

5問題程度エクセルの問題が出題されます。 その問題にいくと自動でエクセルが表示されるのですが、解いてる途中に操作を間違えるとエクセルが閉じて最初からになってしまいますのでご注意ください。

・計算問題

基本的に複雑な計算を必要とする問題はありませんが、この試験では紙やペンの使用は出来ません。 そのため、公式テキストの模試を解く際や普段の勉強の際から紙とペンを使用しないことをおすすめします。

・選択問題

「全て選べ」という問題が頻繁に出題されますが、正解が一つだけのものや全てが正解であるものというパターンも多く見られます。また、トリッキーな問題も多く見受けられるため、問題文やデータを慎重に確認することが重要です。

感想

この資格は「ビジネス側の人材が身につけておくべきデータサイエンススキル、IT知識、データ分析の実務経験を可視化・評価する」というテーマの通り、特定の分野に特化した内容ではなく幅広くデータ分析の実務で求められることが問われるものでした。 今回の勉強を通じて、自分が欠けていた部分や忘れていた部分含めて一通りさらえてよかったです!

普段実務でデータ分析に取り組んでいて全般的な基礎スキルを確認したい方、私のように今後取り組んでいきたい思いがありその一歩としてみたい方におすすめの資格です! 受験をする際の参考になれば幸いです。