NTTドコモR&Dの技術ブログです。

カボニューを組織内で広めてみた話

この記事は、ドコモR&D Advent Calendar 2022の21日目の記事です。

みなさん、こんにちは。ドコモ サービスデザイン部の武田直之(たけだ ただゆき)です。インフラエンジニアをやっています。モバイルインターネット接続サービスをはじめ、各種サービスのためのインフラ開発を担当していまして、オンプレミス環境で数千台のサーバ、ストレージ、ネットワーク機器の開発・運用を通して、お客様に安定したサービスを提供できるよう、日々取り組んでいます。

R&Dアドベントカレンダーということで、技術的なお話が多い中で、今日はちょっと違った切り口でお話したいと思います。

カボニュー、はじめました。

世の中で「エコロジー」や「サステナビリティ」がうたわれて久しいですが、ドコモにおいてもこれまで環境保全の取り組みは続けてきました。

Green Action Plan

通信ネットワークの省電力化、再生可能エネルギーの利用拡大、カーボンニュートラルに貢献する製品・サービス提供等により、温室効果ガス削減に取り組みます。 製品・サービスの調達から廃棄に至るまでのライフサイクル全体を通じて、資源を有効利用する取組みを推進します。 事業活動及び社員活動を通して、自然に寄り添い、生態系保全に関する取組みを推進します。 私の担当しているIT部門においても、データセンタでの電力消費とCO2排出の関係について、とても重要な課題と考えています。

そんなおり、あなたと環境を変えていく。 というスローガンで、2021年よりカーボンニュートラルに向けた活動を新たにはじめました。

ちぢめて「カボニュー」。ちなみに「カボニュー」シンボルマークとワードマークはこちらです。

今回の記事では、カボニューってなに?という状態だった私たちが、組織内でのキャンペーンを通して、自分たちの具体的な行動がイメージできるようになるまでの過程をご紹介します。

カボニューってなに?

カボニュー

あなたと環境を変えていく。

自社の事業活動での温室効果ガス排出量を2030年までに実質ゼロ「カーボンニュートラル」にします。また、自社のみならず、お客さま・パートナー企業とともに社会全体のカーボンニュートラルに貢献するために、「あなたと環境を変えていく。」というスローガンを掲げ、カーボンニュートラルに向けた取組み「カボニュー」を開始します。

Green Action Plan 脱炭素社会の実現について、会社として提示した主なアクションは以下の5つです。

  • CO2排出量削減に寄与する技術の開発・導入と サービス・ソリューションの提供
  • 再生可能エネルギーの導入推進(再エネ指定の非化石証書購入含む)
  • 一般車両のEV化及び車両台数の見直し(ガソリン車の廃止促進)
  • ネットワーク消費電力を削減する技術の開発・設備の導入
  • 2030年カーボンニュートラル宣言の推進

とはいえ、「カーボンニュートラルに向けて、自分たちのお仕事の中で何やればいいんだっけ?」という、ぼんやりした感じだったんですよね。。。つまり、カボニューという言葉ができたけど、それぞれの実業務に落とし込めていない状態だったんです。

やりたいことはわかった。で、なにやればいいの?

オンプレミスシステムのインフラ担当ということで、私たちのデータセンタ内の電力消費をなんとかすれば、CO2排出量って大きく減らせるんじゃない!?と思いたち、とりあえず「私、カボニューアンバサダーやります!」と宣言して、組織内でのカボニュー意識アップをめざして活動を開始しました。

こういう誰も取り組んだことのない領域って、「なんか新しいことやろうぜ!」と、ついつい言いたいところですが、いやいやちょっと待てよ、と。いろんなサービス開発を通してCO2排出量削減に貢献していたり、仮想化技術によって設備集約も進めていたり、パブリッククラウドへのシフトでオンプレ設備のスリム化を進めていたり、ほぼリモートワークで会社の電気使用量も減らしているし、カボニューにつながることは、すでにいろいろやってるよね、と。

ということで、「元々、私たちの普段のお仕事ってカボニューですよね!?」ってスタンスで、自分たちの普段のお仕事の中から、「カボニュー案件」を探してみることにしたんです。いわゆる、ジブンゴト化ですね。名付けて「カボニュー見える化キャンペーン」。

カボニュー見える化キャンペーン

私が所属しているサービスデザイン部は、30以上の担当ラインがあるそれなりに大きな組織です。ラインごとに担当しているサービスが違い、仕事の内容とやり方も違うことが多いです。リモートワーク中心の働き方で、ともすれば他の担当が取り組んでいる案件のことが見えづらいという状況が続いていました。

「カボニュー見える化キャンペーン」では、自分たちの取り組みをカボニュー観点で振り返って組織内で共有しました。そうすることで、他の担当がやっている取り組みを知ることもでき、また新しい観点に気づくという狙いで実施しました。

やったこと

  1. 自担当のサービスや案件を、カーボンニュートラルの観点で見える化!
  2. 他担当のサービスや案件について知り、新しいカーボンニュートラルの観点を発見!
  3. 様々なサービスや案件のカボニューな取り組みに対して「いいね」の拍手をおくる!

結果

約1か月で31件の案件が共有されました。 そして、メンバー同士のあいだで、3,000を超える称賛の拍手が贈られました。 こちらは参考値ですが、推計で年間668,892トン(※環境省 算定方法・排出係数一覧から算出)のCO2排出量削減の効果を可視化できたのです!

例えば、カボニューなサービスのご紹介としては、ドコモでんき Greenや、dカーシェアなどがあります。また、お客様がドコモショップに来店しなくてもオンラインでお手続きができるようにMy docomoahamoなども、車などでの移動に伴うCO2排出量を削減することが見込まれるため、カボニューに貢献できるサービスです。

他にも、オンプレシステムの仮想化を推し進めることで物理サーバの台数を減らしたり、アプリケーションをコンテナ化することでワークロード実行に必要な設備量を圧縮したり、そもそもパブリッククラウドを利用することで自社データセンタの電力消費量をゼロにしたり、といった取り組みをしています。

また私たちは、リモートスタンダード組織に属していますので、基本的にオフィスに出社しません。(勤務地が自宅なので、オフィスに行くと出張扱いです。)そうなると、オフィスの電力消費量も抑えられ、またオフィスで取り扱う紙もほぼゼロですので、働き方自体が環境にやさしくなりました。

カボニュー意識、バク上がりしましたよ。

今回の「カボニュー見える化キャンペーン」で、「私たちの普段のお仕事って、やっぱりカボニューですよね!」ということを再発見したのですが、併せてキャンペーンの前後で、組織メンバーのカボニューに対する意識がどの程度向上したのか、アンケート調査を実施しました。

カボニュー認知度向上1
カボニュー認知度2

みなさん、少なくとも「カボニュー」は認知してもらえたようです!

併せて、ドコモにおける「2030カーボンニュートラル宣言」もおおむね理解してもらえました。

カボニュー行動意識変化1
そして、「具体的な行動がイメージできる!」という人が増えたのがとても嬉しいです!

カボニュー行動変化2
8割以上の人が「普段のお仕事でカボニューに貢献できる!」と実感できたので、今回のキャンペーンは成功だったと感じています。

まとめ

私たちの組織で実施した、カーボンニュートラルに向けた意識向上キャンペーンをご紹介しました。様々なサービス開発を通して、社会のカーボンニュートラルに貢献できるように、これからもがんばっていきます。 nttdocomo-developers.jp