NTTドコモR&Dの技術ブログです。

【学生必見】メンターが見た学生向け夏インターン2023(ドコモハッカソン)の裏側


目次


はじめに

NTTドコモサービスイノベーション部の川波です。

8/29~9/1の4日間で開催された「学生向け夏インターン2023(ドコモハッカソン)」にメンターとして参加してきました。 実際に参加してみると、4日間という短い期間であるにも関わらず学生の凄まじい成長を目の当たりにし、非常に良いイベントだなと感じましたので、ハッカソンの情報を交えつつメンターの私視点から見たドコモハッカソンの裏側をご紹介できればと思います!

ハッカソンの概要

「ドコモハッカソン」は、参加する学生がドコモの一社員として、自らの能力、マインドを120%発揮して、チームでまだ世の中にない新しいアイディアを企画し、ハッカソンスタイルでサービスを開発するイベントです。

今回は『「あなたと世界を変えていく。」というコンセプトで新しいサービスを創ってください』というテーマでオンライン開催となりました。 概要を以下にまとめます。

  • テーマ:「あなたと世界を変えていく。」というコンセプトで新しいサービスを創ってください
  • 内容:1チーム5名で構成されたA~Fの6チームに分かれ社員のサポートを受けながらサービスの開発・発表の準備を行う
  • 日時:2023年8月29日(火)~2023年9月1日(金) 9:30~18:00
  • 会場:オンライン会場(Zoom)
  • 提供される開発環境:AWS
  • その他ツール:Google Workspace(主に資料共有、同時編集作業用途)
  • 公式HP情報:https://information.nttdocomo-fresh.jp/event/hackathon/

ハッカソンのスケジュール

スケジュール概要

チームによって進み具合が異なりますが、大まかなスケジュールとしては、1日目にアイデアソン、2日目にプロダクトデザインの考案、3日目に開発・発表準備、4日目に発表という流れになります。通常ハッカソンはアイデアソンを含めて1~2日と短い期間で開催されるため開発途中での発表になってしまうケースも多いのですが、今年のドコモハッカソンではサービス開発に集中していただくために昨年度が3日間開催であったところを+1日した全4日間で開催し、サービス開発に十分な時間を当てられるようになりました。

サポートの体制

ドコモハッカソンではドコモ社員が全力で学生のサポートを行います。これは、学生が短い期間の中で本来作りたいものに直接向き合えるようにするためです。

ハッカソンでは、気付いていても参加した学生間で言い辛いことや、良いアイデアを思いついたがどの技術を採用すべきか分からないというケースはどうしても出てきます。そのような時にドコモ社員がコミュニケーションを円滑にし気付きを提供する、技術的なフォローを行うといったサポートを行います。

社員はメンター、技術サポーター、審査員の3つの役割に分かれてサポートします。

  • メンター(6名): 各チームに1名ずつ入り、アイデアのブレインストーミング・ブラッシュアップや技術的なサポートを行う

  • 技術サポーター(2名): 各チームを周回し、より専門的で技術的なサポートを行う

  • 審査員(2名): 各日程での中間発表を通じたフィードバックの提供や最終発表での審査を行う

このようなサポート体制を敷いていることもあり、「学生が本当に行ってよかった INTERNSHIP(インターンシップ) 2023 【就活会議】」の企業ランキングにおいて例年高い評価を得ています。

award.syukatsu-kaigi.jp

チームやプロジェクトの紹介

本ハッカソンでは各チームがそれぞれ以下のようなアイデアに取り組みました。

チーム アイデア - サービス名 内容
A:HARUSAME 有名なデートプランを参考に男女で共有・編集できるサービス - ForkinLove 有名なデートプランを自分用にfork可能なGitHubライクなデートプラン投稿Webサイトを提案
B:Challengers ペーパードライバーとカーシェアと指導者のマッチング - ドラチャレ! ペーパードライバーの多さと自動車教習所と指導者の少なさに着目したマッチングサービスを提案
C:curiosity 子供の「これなに?」「なぜ?」にインタラクティブに応える新しい図鑑 - Curiosity図鑑 ChatGPTを用いた子供の「これなに?」にインタラクティブに応えられる図鑑サイトを提案
D:チーム四川 Realアイテムを掘り出したい - Authentitag 購入する古着が本物か判別できないという課題を、RFIDタグを用いて真贋判定可能にするサービスを提案
E:PARTY PROGRAM フードコートの空き状況の可視化 フードコートの席を取る際にモノなどを置いている現状を解消すべく、QRコードを用いて簡単に座席管理が可能なサービスを提案
F:PDD 混雑度の可視化と動線改善 - WaitEase スーパーの混雑状況に応じて割引クーポンを提供することで混雑解消し快適な買い物ができるサービスを提案

チーム名は1日目のチームビルディングの際に学生がグループ内で考え決められたものです。チーム名に料理や方針を入れるなどユニークな名前に少し緊張していた私も和ませていただきました。

アイデアについては最初から最後まで変えなかったチームもいれば、審査員からの中間フィードバックをもとに2日目で変更したチームもいたりと様々でしたが、最終発表時点ではアイデアで主張したい部分を実装し審査員に訴求できていました。また、サービス名前をつけているチームが多く、愛着が湧き開発に対するモチベーションも上がるため非常に良い取り組みだなと感じました。

私はHARUSAMEチームのメンターとして参加しました。

プレゼンテーション

プレゼンテーションの様子

最終的に審査員により、「ターゲットと課題を明確に描けているか」「プロダクトの完成度の高さ」「プレゼンテーションの完成度の高さ」などの観点で各チームのアイデアが審査され表彰が行われました。

(最優秀賞に輝いたチームの学生にはdポイントが一人につき1万ポイント贈答されました)

私の視点では、アイデアの新規性や斬新さ、アイデアの価値、開発したサービスの完成度、訴求したい体験をデモなどを通して伝えられているかなどの観点でアピールできたチームが、審査員から高い評価を得ていたように思います。

時間の関係で実装観点ではまだ追加検討できる部分はあったものの、最終発表でアイデアの価値を訴求するための必要機能を優先付けした上で開発を行えていたことが分かり、最終的な実装面の評価は全体的に高かったように思います。

印象的だった出来事や学び

ハッカソンにおける時間配分

ハッカソンでは、アイデア出しと開発にどの程度時間を割くかはチーム毎の判断に委ねられており、この時間配分が非常に重要です。この点に関して審査員から、「開発時間を多く確保しようと納得できないままアイデアを決めるのは回り回って自分たちの首を絞めることになる。それよりも、自分たちが納得できるアイデアをバシッと決めることに時間を割いたほうが、開発の時にも『本当にこのまま開発していて良いのか』という迷いが消えて結果的に開発もスムーズに行えるようになる。」という助言があり、各メンターを通してそれぞれのチームにこのことが共有されました。その結果十分にアイデアが固められたことで終盤の苦しいタイミングでも粘り強く開発を行えていたように思います。

学生の成長

この4日間近くで学生を見ていたのですが、あらゆる側面での成長を感じました。メンターとして入ったHARUSAMEチームはバックエンド・インフラ経験者がいなかったこともありfirebaseを採用しました。もちろん担当した学生はfirebaseに関して全くの未経験だったのですが、この短い期間の中で学習し最終日にはバックエンドの基本機能の実装を完了させることができていました。また、フロントエンドでreactを使用しており1名の経験者にタスクが偏っていたのですが、機械学習やデータ分析が専門の学生がchatgptを活用してフロント画面の作成を手伝っている姿などを目にしました。発表についてもペルソナを紙芝居形式で演じることで聴衆を惹きつけたり、説得力のあるマネタイズ方法を提案したりと開発以外での活躍も見て取れました。

初めてのメンターということで分からないことも多かったのですが、これらの成長を促した環境があるとするならば、メンバが納得できるまでアイデアを突き詰めたことで開発するものが提供する主張したい体験をビジョンとして共有できていたこと、それによりビジョンをベースにメンバのそれぞれのタスクに積極的に意見し合い客観的な視点で改善点を共有しブラッシュアップできていたことと(ハッカソンならではな点として最終発表まで時間が短いのでお尻に火がつきやすく背に腹は変えられないということで特に終盤遠慮なしに意見を出し合えていた)、煮詰まったタイミングなどで進捗共有を行い開発・プレゼン共に良いものが作られていることを実感することで苦しい中でもモチベーションが保てたことなどの特殊な条件が揃っていたことが学生の大きな成長を促したのではないかなと思いました。

ハッカソンの様子

メンターとしての反省点

私はメンターとして1日目の午後からHARUSAMEチームに合流したのですが、既にメンバが自らの周りの困りごとを中心にアイデアのブレストを始めており初対面のメンバーであるにも関わらず積極的に発言している姿が印象的でした。また、2日目開始時にはFigmaでフロントエンドの遷移画面のデザインを始めており順調に進んでいるなと感じ、

2日目の途中のタイミングで実装するサービスのシステム構成を技術サポーターの方に相談したのですが、

「このままでは実装できないね」

と言われ学生とメンターの私は戸惑いました。 しかし、技術サポーターの指摘は正しく、できていたFigmaの画面で開発を行うと一見GitHubライクなデートプランWebサイトは実装できるのですが、その中には実際にユーザや発表を聞く人に最も訴求したいforkの機能がFigmaの遷移画面には含まれていなかったのです。

そこから、このサービスを使うユーザや発表を聞く人に訴求したい機能は何かを改めてユーザーストーリーマップで洗い出し、発表で行うデモで必要な機能から逆算して最短で実装すべき機能は何かを考え、遷移画面の中に盛り込めていなかったサービスのキモとなる他の機能を実装すべき機能のリストとして追加することができたのでした。今回は技術サポーターのフォローに助けられましたが、本来もっと早くメンターとしてフォローしてあげるべきだったなと自分の中で反省点でした。

技術サポーターとの相談

最終発表を聞いて

上記で述べたHARUSAMEチームに限らずアイデア出しから開発に至るまで様々な困難があったと思います。しかし最終発表では全てのチームがサービス開発を完了させデモを行い、「あなたと世界を変えていく。」というテーマに沿った素晴らしいプレゼンが行なわれていました。発表を通して各チームのアイデアの着眼点のユニークさや開発したサービスの完成度の高さが伺えたのと同時に、初日とは別人のように成長していた方も見受けられました。

終わりに

ドコモハッカソンを通して4日間1つのことに集中してアイデアを形にする体験を参加した学生の皆さんと共有できて嬉しく思いましたし、この4日間の皆さんの成長は他の学生の皆さんにとっても私自身にとっても大変刺激になったのではないかなと思います。 ドコモハッカソンに参加した学生の皆さんが多くの学びを持って帰ることができていれば嬉しい限りです!

興味のある方は、次のドコモハッカソンや、秋にはビジネスグロースインターンシップも開催されるのでぜひ参加を検討してみてください!

dのポーズで記念撮影している様子

今後のインターン情報

ビジネスグロースインターンシップ2023情報:

https://information.nttdocomo-fresh.jp/event/business-growth/

  • エントリーシート:10月6日(金) 12:00〆切
  • 適性検査:10月10日(火) 12:00〆切




この記事の執筆者


執筆者:川波 稜

株式会社NTTドコモ サービスイノベーション部 社員 (※所属は取材日時点)

2020年にNTTドコモ新卒入社後、画像認識を専門としたデータサイエンティストとしてAI-OCRなどの画像データ解析・研究開発業務に従事。技術記事を発信するための NTTドコモR&Dアドベントカレンダー で2021年・2022年運営を担当。2023年より ドコモ開発者ブログ の編集担当で取材記事の投稿を企画。