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【IEEE VTS APWCS2025】6Gに向けたドコモR&Dの取組みを発表

はじめに

こんにちは!6Gテック部 NTN技術担当の島村と無線アクセス技術担当の林です。
今回は、今年の8月に開催された「IEEE VTS Asia Pacific Wireless Communications Symposium (APWCS 2025)」で行った発表についてご紹介します。

国際会議「IEEE VTS APWCS 2025」について

「IEEE VTS APWCS 2025」は、IEEE VTS (Vehicular Technology Society) が毎年開催する国際会議で、無線通信に関連するアジア太平洋地域の研究者たちが一堂に会し、研究内容の発表や意見交換を行う場です。
2025年は8月20日~22日に工学院大学新宿キャンパスで行われ、日本・韓国・台湾・シンガポールから多くの学生や企業の研究者が集いました。 ドコモからは永田聡・島村篤典・林優太の3名が参加し、それぞれ以下のテーマで発表を行いました。

  • 6Gに向けたドコモの取組みについて(永田聡)
  • HAPSが提供する通信性能のシミュレーション評価(島村篤典)
  • AI/MLを用いた将来の通信品質変動の予測に基づく通信制御技術の評価(林優太)

技術概要

HAPSが提供する通信性能のシミュレーション評価

HAPSの社会実装の際には、周波数をどのように利用するかが大きなポイントとなります。特に、地上の移動通信網と同一の周波数を利用する場合、地上に干渉を与えないように考慮しつつ、システム全体のスループットを最大化させるアプローチが必要になります。また、HAPSの全ビームで同一の周波数を利用すると、ビーム間でも干渉が発生し、スループット低下の要因となってしまいます。

そこで、地上のセルラ通信で用いられている周波数再利用技術をHAPSに適用し、シミュレータを用いてその効果を検証しました。具体的には、HAPSの各ビームで異なる周波数を利用することで、地上への干渉とビーム間干渉を同時に抑制できるようなシステムの検討・評価を行い、シミュレーション結果からシステムスループットの改善効果を確認いたしました。

技術概要(HAPS)

AI/MLを用いた将来の通信品質変動の予測に基づく通信制御技術の評価

6Gのユースケースの中には、自動運転のような通信品質を常に維持させなければならないものがあります。しかし、通信環境は刻々と変化し、天気やエリア内の人口数、遮蔽の有無などあらゆるものが通信環境に影響を及ぼすため、通信品質の劣化を防ぐのは非常に困難です。

そこで、AI技術における機械学習(ML)アルゴリズムを用いて、事前学習結果に基づいた通信品質の予測を行い,遮蔽が発生しても常に高品質な通信が保てるようなシステムの検討をシミュレータを使って行いました。

AI/MLを用いた将来の通信品質変動の予測に基づく通信制御技術の評価については、別の記事でも説明しているのでお時間あるときにチェックしてみてください!

nttdocomo-developers.jp

技術概要(AI/ML)

発表の様子

プレゼンテーションの様子は以下です。会場には海外からの参加者含む多くの専門家が集まり、各テーマに関してプレゼンテーションを実施しました。

6Gに向けたドコモの取組みについて説明する様子

HAPSを利用した通信のシミュレーション評価結果について説明する様子

AI/MLを用いた将来の通信品質変動の予測に基づく通信制御技術について説明する様子

発表を終えて

  • HAPS通信の注目度が高く、専門的な質問を多く受け、検討が必要な課題について非常に建設的な議論ができました。また、会議全体を通して、HAPSのみならず衛星などの非地上ネットワーク関連技術の注目度の高さを感じました。HAPSの社会実装に向けて今後も取組みを発信していきたいと思います!(島村)

  • 近年のAI技術の進化に伴い、無線通信技術にもAIの導入が検討されつつあります。本会議においても、AIを題材としたものがいくつもあり、活発に議論がされていました。AIを使うことでお客さまにどのような通信を提供できるのか、どんな価値を創出することができるのかを明らかにすることが私たちのミッションだと思っていますので、引き続き頑張りたいと思います!(林)

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